8月 17, 2008

奥多摩・境の獅子舞(白髭神社の獅子舞)








母の生まれ故郷、東京都奥多摩町境の獅子舞。


奥多摩の自然溢れる森の中、白髭神社のお祭りとして、毎年8月16日に執り行われております。






母の実家が古来伝承してきた舞で、母の実家が代々座元を受け継いでおりました。

伝書によれば、寛文元年7月に伝わり、350年もの間、家を開放し神社の大祭につかえておりが、このほど、家の開放もままならず、やむなく氏子皆様のご協力の下、集会所を基点として執り行われることとなりました。




そんなことで、母の供養にもと思い、初めてこの「境の獅子舞(白髭神社の獅子舞)」を見物しに行ってまいりました。













当日は朝から快晴で、山の中とはいえジリジリと太陽が照りつけ、汗も玉のように噴出す陽気で、じつにうれしい祭り日和でした。


この母の実家では、母方の長兄の伯父さんが家を守り、本家としての重き役割をになう旧家です。



座元で開放していた家も、立派な日本家屋で、梁や柱も昔サイズのしっかり・ドッシリした造りです。



奥多摩・境へ帰郷しても、今なお「白髭神社」に参拝したことがなく、今年はゼッタイにと勇んで参拝させていただきました。



民家と民家の間を縫うような小道をたどり、昔からの農道ともいえる山間の林を抜け、「むかし道」となづけられた道をそぞろに歩くこと15分ほど、眼前に現れた聳え立つ石段(といっても数十段ですが)を登り、細い岩道をぬけるとたどり着きます。



神社の社殿には、東京都指定天然記念物の「白髭の大岩」があり、まさに覆いかぶさるかの様相をていす迫力で、石灰岩を切り開いた斜面に佇んでいる、まさに「神の住まう聖地」といった具合です。



参拝の最中も汗が止まらないにも関わらず、ここだけが時間が止まっているような不思議な感覚を覚えました。


境内に入り社殿を覗き込むと、偶然にも係りの方からお声をいただき社殿にあがらしてもらいました。



榊をさしあげ儀式とおりに参拝をすませたのですが、うるさいくらい鳴きわたる蝉しぐれも、時計と年月を逆回しにし過去の時代に連れてこられたような、えもいわれぬひと時でした。

















この「境の獅子舞(白髭神社の獅子舞)」の特徴というと、各地の「花笠」が四人立ちに対して、「六人立ちの花笠」が特徴です。



また、古式豊かな鹿島流の踊りで、同じ青梅線の沿線、奥多摩地域の「川井」の「八雲神社」とも交流があります。


当日も、「川井」の関係の方も多数お見えになられていて、歴史と尊敬に値する祭礼であると思いました。





従兄弟も座元の関係から、幼少の頃から笛を吹き、数々の舞台にも立ち、この日も暑いなか伝承の笛の音を響かせていました。









しかし、夕方3時を過ぎたあたりから雲行きが怪しくなり、空は一面の鉛色となりポツポツと滴も落ちてくるようになりました。




少しばかりの雨であれば、演じ手の身体も涼しくさせ、また観衆も見やすい気温となったのでしょうが、夕立に発展、大粒の雨が地面に水溜りを作るほどの降りとなってしまいました。




獅子や花笠、そして太鼓は濡れてはいけないので、しばし中断。




それでも年に一度のお祭りと合って、誰一人として帰ろうとはせず、舞の再開を待つ人で集会所はにぎやかでした。




少し止んではまた降って、少し止んではまた降ってを繰り返し、それでもタイミングを見て強行突破!


















「獅子」にはシャンプーカバーのごとくビニール袋をかぶされ、「花笠」被りもなしで演目を演じる一コマもありました。



それからも雨脚が強まる中、降り止むまで小一時間を要し、クライマックスの「太刀掛り(千秋楽白刃の舞)」は必ずや!と願う気持ちで望みました。



この「太刀掛り(千秋楽白刃の舞)」は、三頭いる獅子(王太夫、女獅子、中太夫)のうち「女獅子」が主役の演目です。



四方固め、悪魔祓いの舞であり、この世に災難をもたらすすべての悪魔をこの世から追い払う舞であります。


演目中のそれぞれの獅子の掛け合いも見ごたえあり、刃を咥えた獅子をみることのできる、貴重な演目といえます。



このほか、「馬鹿(ばか)」と呼ばれる「道化」に扮した演者たちも現れ、座をにぎやかにする、まさにクライマックスにうってつけの演目です。




一通りの舞が終わる頃には、あたりも日が暮れ、地理的効果も重なって、じつに幻想的なムードが余韻に残ります。





日ごろ「お祭り好き」と称しては、「お神輿担ぎ」に興じていたのは、母の実家での祭礼への畏敬の念からと、少々思いあがったところもあったかと、今年はじめてじっくりと鑑賞したこの「獅子舞」からなのか?と、自戒するところであります。
















来年も元気な伯父と伯母、従兄弟の姿を見に、また母方の姉妹兄弟の集まるひと時で、生前の母の気持ちに触れたいと感じました。


そしてなにより、自然豊かな奥多摩という土地と伝統ある芸能をとおして、息子に「何かを感じてもらいたいなぁ」なんて思っております。




奥多摩町役場のホームページはコチラ


参考:

坂本忠著「境白髭神社獅子舞記録保存資料」

多摩信用金庫発刊「多摩ら・び 2006・6」







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